冬の間は、牛の 世話が私達の農場での主な仕事となります。午前と午後の二回、餌をやり、寝床をきれいにします。餌は夏の間にとりいれた干し草と、オーツを与えます。干し 草の形は大きく分けて二種類あり、それぞれラウンドベールとスクエアベールと呼ばれます。ラウンドベールは一つ500キログラム以上あり(大きさは直径、 厚さともに150センチほど)、トラクターを使わないと動かすことができませんが、私たちの扱っているスクエアベールは一つ30キログラムぐらい(大きさ は幅45センチ、長さ1メートル、高さ35センチ)なので、手で餌場に入れることができます。それでも30キログラムのベールを10個、自分の肩の高さほ どにある餌場に投げ入れるのは(それを一日二回)結構体力の要ることです。スクエアベールの魅力は、餌の量の管理が正確にできることと、トラクターの中か らではなく牛にじかに接することができるのでスキンシップがはかれることです(これはとても大切なこと)。
|
牛たちは寒くても戸外で過ごします。もちろん吹雪いていたり
風が強いときには三方を囲った屋根付きの建物の中へ入ってきますが、それ以外のときには、マイナス30度の日でも麦わらを厚くしいてある寝床で寝そべって
います。この麦わらを絶えずきれいにしておくのも重要な仕事で、麦わらの上を歩き回ってはふんがないかチェックし、くま手のようなものですくっては寝床の
外へ放り投げるというのに毎日二時間ほど費やします。牛たちは食べる量もすごいのですが、またそれに比例して出す量もすごい!よく一回にこんなに出せるな
あと思わず感嘆?してしまうこともままあります。まあこうして毎日牛たちの世話をし、様子を見ることで、体調の変化を知ることもできるし、牛たちも私達の
姿、声、匂いに毎日接することでお互いの信頼関係を深められるのです。 |
生後二日目の子牛とその母親
|
三月の下旬から 子牛の出産が始まります。今年は21頭が出産予定です。全部無事に生まれるよう祈っていますが、そのうちの5頭は初産なので、特に心配です。私は農業を始 めるまで牛なんて近くで見たこともなかったので、出産に立ち会うなんてとんでもないと思っていたのですが(主人のグレッグも牛の出産を見たことはなかっ た)、二年前初めて子牛の出産を見たとき、無事にいくかどうか心配はしたものの、自然のたくましさに感動したことを覚えています。その年は、私達の牛13 頭全てが初産で、グレッグと一緒にいろんな記事を読んだり、人に話を聞いたりして勉強したものでした。出産が近付いているというサインのようなものがある から見れば分かるというのですが(例えば、しっぽを上げたまま歩いている、体を伸ばすような仕草をするなど)、見ていても起き上がるたびにみんな体を伸ば し、うーっと唸るような声を上げるのでどれが本物か分からないのです(何回か経験した後はどれが本物か見分けがつくようになりましたが)。統計では、初産 の15%は難産で、普通でも5%は子牛の死亡するケースがあるというので余計に不安が募り、最悪のケースを何度も頭に描いたものでした。幸運にもすべてが 安産で、去年も16頭無事に生まれました。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||