Greg & Junko Jorde Farms
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『大平 原からの便り』 
第八回:家庭菜園の収穫

8月の終わりから9月 にかけてはサスカチュワンの農家にとって一番忙しい収穫の季節となります。穀物を刈り取りコンバインで脱穀し貯蔵庫に入れるまで、時間と天気との戦いで気 の休まるときがありません。この時期と春の種蒔きの時期には朝4時頃から夜中過ぎまで畑にいる人も多いので、子供たちが父親に一週間以上も会わないことも あります。

この時期に忙しいのは 決して男の人達ばかりではなく、主婦たちも同様、またそれ以上に忙しくなります。もし人手が必要ならコンバインで脱穀された穀物を入れる大きなトラックを 運転し貯蔵庫まで運び、旦那さんやお手伝いのみんなの食事を用意し畑まで運び、それに家事と子供の世話が加わります。自分たちの野菜畑の収穫もちょうど同 じ時期にあたるので、取れたものの瓶詰めや冷凍もしなくてはいけません。

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家の前の庭


今年の初夏は雨が多く 寒い日が続いたため野菜の出来が遅く、霜が降りる前に収穫できるか心配です。私は今年じゃがいも、人参、玉ネギ(300個!)トマト、きゅうり、なす、 ズッキーニ、トウモロコシ、さやえんどう、さやいんげん、ホウレンソウ、レタス、にんにくを植えました。私はサスカチュワンに来るまで野菜を育てたことが なかったので、最初の年は周りの人達にありとあらゆる質問をして助けてもらいました。その年に学んだ最大のことは、ズッキーニは早めに取ること、そして決 して3本以上植えないことです。私はズッキーニが大好きなので10本ぐらい植えてしまったら、これでもかというほどできて(毎日5、6個はできていまし た)、一日取り忘れるとヘチマのように大きくなってしまい始末に負えなくなるのです。ズッキーニケーキ用にすり下ろして冷凍したり近所の人達に分けたり (でもほとんどの人達は自分たちのところでも余るほどあるのです)しましたがとても追いつきません。せっかくできたものを無駄にするのも忍びないのでせっ せと毎日食べたことを思い出します。

 
自 分の畑で取れた無農薬の新鮮な野菜を食べるのはやはり格別で、特にとれたてのトウモロコシはとても甘くて美味しいものです。しかし牛たちも同じ事を思って いるようで、2年前の夏のある日家に帰ってみたら、フェンスを倒して出てきた牛3頭が私の畑に入りトウモロコシをみんな食べてしまっていたのです。もう少 しで熟すところだったのにとものすごく腹が立ったのを覚えています。

 
サ スカチュワンの長い冬に備えてどの家でも「ありとキリギリス」の話のように食べ物を貯えます。じゃがいも、玉ネギ、人参などは地下室の涼しいところへ、ト マトは瓶詰めに(私は去年1リットルの瓶にして60個分作りました)キュウリはピクルスに(隣の奥さんは毎年100瓶以上作るそうです)豆類は冷凍か瓶詰 めにします。庭にあるリンゴ、ひめリンゴ、ルーバーブなどはパイにして冷凍しておきます。静岡に住む私の両親は、じゃがいもを3月と8月に植え、それぞれ を5月と12月に収穫すると言い、また人参は土に埋めたまま必要に応じて使うのだと言いました。この話を近くの人達にしたら、こっちでは9月にはいればも う霜の心配をしなくてはいけないのに信じられないと言われました。


夏 の間は野菜畑の手入れ(今年の夏は家族が来た際全員で畑の草取りをしてくれたのでとても助かりました)、庭の草刈り(私の庭は家の前だけを刈るのでも幅 90センチ位ある手押しの芝刈り機を使って1時間以上かかります)、花壇の手入れなどに時間がかかりますが、これらはサスカチュワンの短い夏を楽しむ農業 からはなれた私にとっての息抜きのようなものなのでとてもエンジョイしています。



      
第七回:干し草作り                   第九回:秋の出来事




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