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『大平 原からの便り』 
第五回:観那誕生


この6月に娘の観那(かんな)は2歳になります。今は毎日外に出ては犬のチビと遊んだり、牛に干し草をやったりしています(牛にとても興味はあるのですが やはり大きくて恐がるため、ゲートのこちら側から干し草をつかんでは投げ入れています)。日本語と英語で生活しているせいか、何を言っているんだろうと首 をかしげたくなるようなことも数多く、しばらくは「馬」も「おいしい」も両方「ホース」と言っていて、最近は「りんご」も「うんち」も両方「ごごごぎ」と 言います。今まで鼻風邪を三日ほどひいただけでとても健康に育ってきているので、これからも元気にたくましく成長して欲しいと思います。

skletter5犬 のチビと遊ぶ観那


観那の生まれた 97年の6月には日本から私の母、妹、弟が来ました。母は、初孫誕生にあたって私の面倒を見てくれると有り難いことを言ってくれ、日本に父を残したまま長 期滞在の覚悟で、妹は通訳係、弟はボディガード兼荷物持ちとして来ました。皆にとって初めてのサスカチュワンへの旅でもあり様子が分からないことも多く、 来ると決まったときからいろんな質問が飛び交いました。母曰く、「今度そっちに行くことが決まったのだけど、正確な住所を教えてちょうだい。BOX95じゃどうも」。そ んなことを言われても、ここには住所というものはないのです。ずーっと一本道を行って、松の木が一本立っているところを左に曲がって初めての林をまた右に 曲がるとか言っても何の役にも立つとは思えません。妹曰く、「ダウンジャケットとか欲しいかねー」。あんたね、6月にくるのに何を考えているのと言ったす ぐ後、とても涼しくなって「やっぱり持ってきたほうがいいかもしれない」と慌てて電話したものでした。しかしとどめはこれが海外旅行初体験の弟に関する父 の、「やー正紀は今回海外初めてだから、バンクーバーでも帰りによらせてやってくれ。せっ かくカナダへ行ったってのにサスカチュワンだけじゃちょっとかわいそうだから」という一言。そんな言い方ってないんじゃないの と思いながら も、あまりの的確さに思わず笑ってしまいました。

 何はともあれ6月2日、三人揃ってサスカトゥーンの空港に着き ました。いかにも日本 人の典型的な旅行で、妹と弟は6日にはバンクーバーに飛び、7日には日本に帰るというのです。私の出産予定日は7日なのにこれ以上休暇を取れないからとい うことで、まあ今度日本に帰ったときに見せてねということになってしまったのです。とにかく空港から三時間かけて家まで来ましたが、後部座席の三人はとき どき目を開けて「今どこ?」と聞いては、「ふーん、全然景色変わらないね」を繰り返すのでした。妹と弟を空港まで送っていったときも弟がぽそっと、「お姉 ちゃん、家出てから二時間たつけど車6台しか見てない」と感心したかそれとも呆れたかのように言いました。

結局観那の生まれたのは9日の午前11時でした。前日の夜遅く からかすかな陣痛があ り病院に電話をしましたが、「我慢できるだけ我慢してください。遠いところ(45分)から来るからあまり早く来過ぎても帰ってもらうわけにいかず、ずーっ と待たせることになってしまうから。その代わり電話で様子を知らせてください」ということで、病院に行ったのは9日の午前4時半で、それなりに痛みはあっ たものの、俗にいう安産で無事生まれました。主人のグレッグはあとから「陣痛のとき、牛のほうが姿勢を変えたりして筋肉を上手に使ってた」などと言い、自 分が生んだわけでもないのにと私のひんしゅくを買ったものでした。こちらの病院のいいところは、産後最低でも三日は入院できることです。もちろん個室で、 私がいたときにはもう一人赤ちゃんが生まれただけでした。私の母はその後6週間いてくれ、私はとても有り難く思いました。 

今年の6月の下 旬に、父母と妹がくる予定です。会うのは一年半ぶり(97年の12月に日本に帰って以来)なので、観那の成長ぶりに驚くことでしょう。私達も今からとても 楽しみにしています。



      
第四回:逃げ出した牛たち                   第六回:サスカチュワンファーマー




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