7 月と8月 は冬の間の牛の餌にする干し草の刈り入れでとても忙しい時期です。サスカチュワンでは牛を放牧できる期間が短いため、1年のうちの200日は干し草を与え る心積りでいなければなりません。そのため収穫する干し草の量も膨大なものになります。ブリティッシュコロンビア州のフレイザーバレー地区は気候も温暖な ため干し草にするアルファルファを1年に5回ほど刈り取ることができますが、こちらでは2回がやっとで、それも2回目に取れる量は1回目の4割ほどです。 私達も自分たちの農地だけでは必要な干し草が賄い切れないので、政府のリースの土地や近所の農家と契約するなどして毎年干し草用の農地を確保しています。 | 干し草を納屋に入れているところです。 |
干し草 の収穫は私の最 も好きな仕事の一つです。まず主人のグレッグがスワッサー(swather)と呼ばれる機械で草を刈り取ります。その草が乾いたらベーラー(baler) で直方体の束にします。これまではベーラーの後ろにストゥーカー(stooker)というそりのようなものをつなげて干し草を10個ずつピラミッドのよう な形に重ねていました。こうすれば少しの雨なら表面を流れ落ちて干し草の中までしみとおることが少ないからです。普通夫婦でベーリングの仕事をする場合 は、奥さんがトラクターとベーラーを運転し、旦那さんがストゥーカーの上に立って干し草を積み上げるのですが、グレッグと私の場合、様々な理由からその逆 をしています。 1.私のト ラクターの運転 技術がよくないため、角を曲がるときなどストゥーカーに乗っている人が振り落とされる可能性があり危険である。 2.グレッ グの方が刈り 取った草をきれいにベーラーで拾い上げることができ、もし機械に異常が起こった(或は起こりそうな)際も私よりずっと早く気付く。 3.私が体 力に恵まれてい るため、普通の女の人なら重い干し草でも平気で積み上げられる。 4.私はス トゥーカーに 乗っているのが好きである。
と、楽 しいのはここま でで、この後は悪夢の重労働です。まず何千とある干し草を一つ一つトレーラーに積み上げ(私達のトレーラーには一度に200個ほどのベールが乗せられま す)家まで運び、トレーラーからおろして納屋にいれます。納屋に入らないものは外に積み上げ雨に濡れないようにカバーをかけます。これを何十回と繰り返 し、すべて終わったときにはもう結構という気持ちになりますが、積み上げた干し草や、刈り取ってきれいになった畑を見ると我ながら頑張ったなという充足感 があります。
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